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「コシヒカリ環1号」「あきたこまちR」など重イオンビームによる遺伝子改変品種への反対声明

農林水産省は重イオンビーム照射によってOsNramp5遺伝子を改変させたカドミウム低吸収性品種「コシヒカリ環1号」とその後代交配種を日本の主要な品種にする指針を2018年に発表し、その導入を都道府県に働きかけており、秋田県は2025年から県産米の7割以上を占める「あきたこまち」を「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」の交配によって作った「あきたこまちR」へ全量転換するとしています。

しかし、私たちは以下の理由で、重イオンビーム育種による品種の導入・従来の品種からの全量転換に反対します。


  1. この重イオンビーム照射による放射線育種(突然変異育種)は実質、世界で日本だけでしか行われておらず、実績は乏しく、その安全性を実証する研究が行われていない。安全性の確証が得られていないことは、消費者の大きな不安となっている。
  2. 第1項の理由により、これまで有機米を選択してきた健康意識の高い消費者が、重イオンビーム育種米を選択するとは考えにくい。
    農水省はこれまで、需要に応じた売れるコメづくりを推進してきたが、全面切り替えはこの方針に反するものであり、有機農業の拡がりを抑制しかねない。
  3. OsNramp5遺伝子を改変することによって、稲のマンガン吸収能力が大幅に減じられる。改変後の品種は元の品種とは同等ではなく、その性格も似て非なるものとなり、収量も減ることが報告されている。今日の激変する環境変化に対応できるかどうか、その生育の不安が消えない。
  4. 農家には栽培する品種を決定する権利がある。全量転換はその権利を実質的に奪うものである。「コシヒカリ」や「あきたこまち」に認められていた自家採種も改変品種では許されておらず、その品種への全量転換は農家の権利を無視するものである。
  5. このカドミウム低吸収性品種の栽培のためには特許許諾料と品種許諾料の2種類の許諾料が課される予定であり、種籾価格にそれが載せられ、農家が負担することになる。カドミウム汚染の責任は鉱山開発を進めた企業と国策としてそれを推進させた国にあり、その負担を農家に押しつけるのは筋違いであり、認められない。
  6. 重イオンビーム育種による品種は有機農産物としては認められない。

2024年2月17日
NPO法人民間稲作研究所 一同

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